2008年10月25日土曜日

東京国際映画祭

会社帰りにTOHOシネマズ六本木ヒルズでやっている東京国際映画祭へ行ってきた。私が観たのは『Stories on Human Rights 』。人権宣言60周年を記念して国連がnonprofitで行ったプロジェクトで、世界中の監督や現代アーティストが人権をテーマに挑んだ各3分間のストーリー。3分間で何をどのように表現するのかに興味をもって観に行った。合計で11本が上映され、テーマは環境(environment)、発展(development)、文化(culture)、gender、など。ゲストトークを行ったイタリア人のフランチェスコ・ジョディチェ監督は、テーマがテーマだけに見る側に送るメッセージの重大性を思うと制作にあたってnurvousになったとも話していた。確かにそうだろう。思ったり感じたりしたことを自由に表現してよいと言われれば気は楽だろうけど、テーマによっては見る人に本当に大きな影響を与えてしまう。作るという意味をちょっと立ち止まって考えさせられた。この監督さんの作品はカザフスタン(だったかな?)をロケ地に決めて、現地の漁師を役者として起用しドキュメンタリータッチで環境をテーマに作っていた。水がなくなってしまった土地に漁船が最後に残される。わかりやすく訴えかけられた作品だった。他に印象に残った作品のひとつに(確か発展をテーマにしたものだったかな)、黒人の女の子が木を大切に育てていくお話があった。少女は日々、鼻歌を歌いながら楽しそうに愛情をいっぱい木に注ぎながら木とともに成長していく。やがて少女は大人の女性になり恋をし家庭を築く、そして子供が生まれ、またその子が楽しそうに種子を植える。シンプルな生活を送る中で幸せを感じているその姿。それを観ている間、自然に笑みがこぼれた。余分な欲求は邪魔なだけなのだと感じざるを得ないナチュラルな喜び。こんな作品が生み出せたらいいなと思った。